仕事中であっても飛び交う一方的なN・Mの高説

「建前では『日本は美しい国だ』『豊かになった』なんて言っているけどね、少なくとも内面的な部分において僕は全然そうは思わない。物質的には豊かになったかもしれないが——」
弁論は続いた。人生経験豊富な男の一方的な減らず口を、私とN・Tは聞き流すのが精一杯だった。
「話が飛躍し過ぎだろ。第一に目標なんて達成できる範囲内のことを自発的に持つものであって非現実的なことを強要するべきものじゃない」
N・Hの言っていることはもっともだった。私達は海外は愚か、自分達の住んでいる日本のことすらまだ知らないことだらけだ。それでも尚、世間知らずの自分達をよそにN家の口論は留まるところを知らない。近くに誰が居ようがお構いなしだ。
「僕は何も間違ったことは言っているつもりはない」
「でも、何かを植え付けようとはしてるよね。だから高圧的に思われるんだよ」
「お前は誰に向かって口を利いてるんだ!」
「とりあえず、もう飯にしようよ。疲れてるから苛々してるんだよきっと」
「それはいいが、お前はいつもひと言二言余計なんだよな」
 N・HがいなければN・Tは人一倍我の強い目の前の大人に向けてひたすら相槌を打ち続けていたに違いない。全身脱毛 効果